ADHD的LIFE

ポンコツ管理人による世の中にいる5%のポンコツな人達向けの誰得ポンコツブログ

本当のブラック会社に食い物にされる発達障害や自信のない人達

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最近は、連日ニュースになったりしているブラック会社。
世の中、少しずつだけど、変わってきたなーと思ったり。

ところで、ブラック会社と聞くと何を思い浮かべるだろうか?
テキトーに思いつくまま、単語を羅列してみる。

  • 長時間残業
  • 安月給
  • 給料未払い
  • 飛び交う罵声
  • パワハラ
  • うつ
  • じさつ
  • 体育系
  • 宗教的、カルト的

なんだか、ネガティブな単語ばかりで頭がハッピーセットになっちゃうネ!
アハッ・・・アハハッ・・・。

・・・実際上のやつ全部が揃ったら、
まさに「世紀末ブラック会社」って感じで、
まともな人も、まともじゃない人も
メタルスライムのごとく、速攻逃げだすだろう。

こんなクソみたいな会社は、社会の為にも、人の為にも、
「そして誰もいなくなった・・・」とそっと、世の中から消滅したほうがいいんだ。

だから、本当に気を付けなければいけないのは、
そういった誰もが逃げ出すような会社ではなく、
居心地がよいとすら思える、ありふれている
「本当のブラック会社」だと思う。

僕の、体験談を交えながら、まとめていきます。

 本当のブラック会社は、居心地がいい

突然だけど、「あなたは人生で人から褒められたこと、どれくらいありますか?」

僕は、・・・正直、あんまりない。
それは、何事にも不器用で、成功体験に乏しい発達障害だから。

  • スポーツが人並みにできる子が、うらやましかった。
  • いつも忘れ物をして、先生に怒られて、つらかった。
  • なんでも器用にこなせる、あいつらが、ねたましかった。
  • なんにもできない、自分が、かなしかった。

・・・本当のブラック会社は、
そんな、ヤサグレた心を優しく包み込んでくれるんだ。

ちょっとした成功も、
「○○くん、すごいねー!」
「○○くん、やればできるねー!」
「○○くんがいてくれて、よかった!」

・・・正直言って、居心地が良かった。
だって、自分を頼ってくれる人がいる。
それは今までの人生であんまりなかったから。

だから、例えそれが、

  • 驚きの安月給で
  • ボーナスという概念がなくて
  • というか、残業代という概念もなくて
  • 昇給という概念も、勿論ない

というような、まっくろくろすけなブラック会社だったとしても、だ。

 

 本当のブラック会社は、お金の代わりに居心地を提供する

「あなたが、社長でお金は無いけど、誰でもいいから働く駒がほしいとき、どうしますか?」

一見すると、どうしようもない、わがままな条件に思える。
だから、そうした場合、フレンドリーさを前面に押し出すしかないだろう。

「アットホームな職場です!」

「上下関係関係なく、風通しの社風です!」

そんな、うたい文句で、肩を組んじゃってる社員の写真が貼られている、
よく見る、典型的なアレな広告。

ついでに、一つフレーズを付けて考えておけばいい。
「ただし、給料面は劣悪です!」

ってね。

そう、払える対価がなければ、居心地を提供するしかない。
だから、経営陣や上層部はやたら優しく接してくれる。
それは、それは・・・過剰なまでに。

そうやって、居心地の良さ重視の人たちを集めていくのだ。

 

その過剰なまでの優しさは、伝染していく

人は、自分がされて嬉しかったことは、
他の人にも、してあげたくなるもの。

それに、もともと金銭よりも居心地の良さを取った人たち。
だから、後輩社員にも基本的にフレンドリーだ。

中には高圧的な人も居たけど、そういう人はすぐ辞めていった。
給料面もそうだが、それに何か居心地が悪く感じたんだろう。そういう人には。

そうして、組織は似たような人材ばかりになっていく。

どこか、おっとりとした人ばかりで、よく言えば、やさしく、
わるく言えば生ぬるい。そんな環境になっていく。

その環境は、ADHDの僕には・・・居心地が良かったんだ。

そしていつしか、ものすごい悪条件で働いていることに文句を言う人もいなくなる。

 

本当のブラック会社は、いつしか、宗教的になる

そうして、そういった生ぬるい居心地がよい雰囲気が、
どんどん・・・どんどん、濃縮されていき・・・

いつしか得体の知れない、宗教的なものになっていくんだ。

 

「残業代が出ないのは、仕事が遅い人と早い人で不公平を無くすためだ!」

と教祖が言えば、それが信者にとって真実になり、不満はなくなる。

 

「明日やれることは、今日やれ!」

と教祖が言えば、信者は明日に回そうとしていた仕事を今日やるだろう。

そして、本当に恐ろしいことは、大半の信者たちは何も言わない。
疑問にも思ってないんだ。本当に。

まるで思考が停止している、命令通りに動くロボットみたいだった。

 

本当のブラック会社は、疑問を持ったものは、迫害される

僕がいた、その会社には僕も含めて4人の同期がいて、
仲は、そこそこよかった。

同期4人のうち、僕と1人は、そんな宗教的な会社に疑問を持っていて、
残りの2人は、頑なに会社を信じていた。

疑問を持ちながらも、日々、働いていた、僕であったけど、
経営情勢が悪化して、おいうちのように
タダですら、ペッラペラの給料が、さらに削られることになった。

・・・それでも、信者達は、愚痴すら言わない。

この人たちは、もしかしたら給料が米やミルクで支給されても、
何も言わないんじゃないか?とさえ、思えた。

僕たち2人は、さすがに愚痴を言わざるおえなかった。
上層部がいない、小グループの飲み会で、
気が知れた先輩に、僕たち2人は疑問に思っていることを愚痴った。

そしたら・・・

普段、気の優しい、おとなしくて、
面倒見のいい先輩が、ものすごい怖い顔をしていた。

そして・・・

「世の中、金じゃない!」

「俺だって、我慢しているんだよ!」 

「なんで、そんな会社のことを悪く言うんだよ!」

「みんな仲良くやってるじゃないか!それで、それだけで、いいんだよ!」

と、さすがに、怒鳴りつけるまではいかなかったけど、
普段のそれとは、全然違う雰囲気で、語っていた。
まるで、先輩自身に言い聞かせるように。

そして、僕たち2人は悟ったんだ。

「この会社では、疑問を持ってはいけないんだ」って。

 

本当のブラック会社を辞めた僕と、同期のその後

結局、僕はそのあと、半年もしないうちに、その会社を辞めた。

発達障害で何事にも不器用な僕に、
優しくしてくれた会社ではあったけど、
何かの拍子に疑問に思ってしまった。

一度、疑問を持ってしまうと、その手の会社はすべてがうさんくさく思えてしまったからだ。

疑問を持たなければ、今でも、働いていたのかもしれない。
それか、不器用だからこそ、疑問に思えたのかも。

器用な人こそ、その環境に適応しようとしてしまうのかもしれない。

 

同期のうち会社を信じていた1人は、僕が会社を辞めた後、
身体を壊してすぐに実家に帰った。

ただですら、ペラッペラの給料で、その上、
うつが悪化して休職せざるおえなくなった。

休職中の給料は6割くらいしか支給されない。

やっすい給料で貯金もできなく、
一人暮らししていた彼は、
医療費と生活費が維持できなかった。

結局、そうなったとき、会社を辞めて実家に帰るしか選択肢はなかったんだ。
そして、その時になったら、会社は結局、なにもしてくれなかった。

先輩や会社の言っていた「世の中金じゃない」は真っ赤なウソだったんだ。

 

もう一人は、疑問を持ちながらずーっとその会社で働いてきたけど、
ついに限界が来たらしく、辞めるから同期3人で飲み会しようよと連絡してきた。

3人というのは、前述した1人が、実家に帰っているからだ。

数年ぶりに再会して、驚いた。
僕と同じようなスタンスの彼は、元気そうにしていたけど・・・。
もう一人は、当時の面影がなくなりかけていた・・・。

髪の毛は額が前面にでてしまうくらい、後退してしまい、
体系はかなりだらしなくなっていた。
昔はさわやかな好青年だったのに・・・。

聞くところによると、遠い地に半年単位で出張して、
夜中の3時まで仕事をしていることも、ざらにあるらしい。

そして、残業手当は60時間を超えないと、一銭も出ない。
もちろん、その分、基本給が高いわけではない。(むしろ安い)

顔色も良くなかったので、さすがに心配になって、
「会社は、体を壊しても何もしてくれないよ、前の同期を見ただろう?」

と、言っておいた。
すると、

「それはわかっているよ。でも・・・(この会社は居心地がいいんだ。)」

と答えた。
()の部分は、僕が、脳内保管した言葉。

彼は、僕よりは優秀だけど、そこまで優秀な人ではなかった。
だから、きっと自分を認めてくれる、会社に尽くしていきたんだと思う。
かつての僕のように。

気持ちはわからないわけではない。
なので、そういった話は・・・それっきりにしておいた。

 

どうしようもない、やるせなさを感じる

帰り際、1人で電車に乗った時、どうしようもない、やるせなさを感じた。
確かに、周りの人達が、やさしくて、認めてくれる環境は大切だ。

でも・・・
それでも・・・

「人の人生は有限で、働ける期間も有限で、

 それを簡単に投げ売りしてしまっていいのだろうか?」

そして、そういった人の善意に寄り掛かりすぎている会社を、
どうにかできないのだろうか。

そんな、1人ではどうしようもないことを考えた、同期との再会だった。